バックミンスター・フラーのクロノファイルから
実際に確認できることが
本当に存在したものとして認識されることは容易ではない。
長いテクストを伴う『シナジェティクス』でさえ
モデリングからしか解読できない場合がある。
60トンもある彼のクロノファイルに分け入って、
シナジェティクスについてモデリングのまま保存された
新しい<構造と意味>を解読する作業は
考古学に近い。
それは、フラーが亡くなった当時、西海岸に移転したフラー研究所での
シナジェティクス研究のための
その<思考の幾何学>における概念的な探査を
私が3ヶ月で中断した理由でもある。
それは、シナジェティクス的解決方法への問題意識がない時の
クロノファイルの探査をすべて排除したときである。
経験を通した理解は、つねに同時的でかつ非同時的であるからだ。