自己表現と相反する作用
優れたデザインには 主体の自己表現と自己放棄との間に、激しい往復運動が形成されている。 さらに、思考を声に出す行為によって 自己表現と自己放棄との間の非同時的な相反作用を増大させた結果は しばしば発見と呼ばれる。 それは、思考の圧縮力と張力との相反作用の 見えないテンセグリティ化による自然のプリセッションに違いない。
View Article大円軌道という地動説
春分の日の地球の影が 東経140°線と平行になりほぼ半円になるというのは 見せかけ上の現象であり、 天球上における太陽が通過する大円軌道であるというのも 観察者の見立てである。 太陽が天球を一周しているように見える地動説から 黄道(大円軌道)を説明したにすぎない。 地球も月も、螺旋軌道を描きながら太陽系を回転移動している。 地球外からの観察方法からどんな大円軌道も存在しない。...
View Article経験なき言語
日々の様々な良いあるいは悪い現象を公開するWeb上で社会的ネットワークは、 もはや情報公開の民主的な手続きの延長ではなく、 位置情報の客体化として機能すると同時に、 社会的な要素を備えた手段は、 経験なき言語による矯正あるいは服従の手段として機能するからこそ 政治家による誘導する意図を持った手法に転換されている。 いまや、個人による言語による社会化は、 むしろ個人を全方向性から攻撃している。
View Article類似するデザイン
バックミンスター・フラーが考えたことよりも、 考えなかったことを求める方法の最大の欠点は、 彼のデザインに類似する可能性がもっとも高くなることだ。 彼のデザインが、最初から誰にも似ていなかったのは、 問題解決の方法が、問題の数よりはつねに少ないという事実から 着手したからだ。
View Article思考と手
シナジェティクスは、 学問と実践とを、思考と手を、 直観というメタフィジックス上に構築する峻烈な試みである。 分析と統合からでは、 シナジェティクスの発見のプロセスは理解不可能だ。
View Article自然のデフォルト
諸原理と素材、そして経済的な加工技術との統合する循環から しばしば、構造原理の発見が訪れる。 それは、バージョンアップとは言わない。 使用している原理を最新版の原理へと切り替える作業は、 前例のない、しかし、自然が使用する原型(=デフォルト)への クリティカル・パスなのだ。
View Articleシナジェティクス
シナジェティクス的思考とは、 デザインサイエンス的現実にできるだけ接近し、 さらに、プロトタイプ制作で現実化する過程を 絶えず再構成するクリティカル・パスによって、 予測的デザインサイエンスを作動させる一つの方法である。 その方法こそが、 シナジェティクスの原理群を発見する方法にちがいない。 それによって、シナジェティクスが幾何学から離脱したのは、 予測的デザインサイエンスなくして...
View Article自由空間
テンセグリティシェルターによって 生存のための自由空間をどのように享受できるかは、 エネルギーと食料の規制制度が持っている恣意性を明らかにしながら 矯正と服従から短期間にどのように離脱できるかでもある。 バイオスフィアへの離脱は、 火星に行くよりも安全で、気楽な漂流に違いない。
View Article起源的思考
シナジェティクスの本質的な試練とは 物理的無限性とそれに到達する理論とを証明する実験モデリングに至る 批判であると同時に存在論であるシナジェティクス起源的思考にある。 例えば、テンセグリティ球の直径の物理的な無限性を 支える張力の連続性から 浮かぶテンセグリティに至る起源的思考。 起源的思考は、オブジェに幽閉する美学や学習から生まれなかった。
View Article生存要素の退化
生存に必要なものは、水、食料、エネルギー、住居である、 それらを持たなければ、その順番の欠乏から死んでいった人々を見て、 森から水源と耕作地を求める時に住居はもっとも後回しにされた。 その結果、その逆の順序で高額な支出によってしか取得できない 巧妙な矯正装置に、人類は見事に順応したのである。 水、食料、エネルギー、住居を獲得する手段を 主に金銭に依存するほど退化しているのである。...
View Article特殊な出来事(Special case)
シナジェティクスとは、 モデル言語が機能する法則に関わるシステムである。 モデル言語は、特殊な出来事(Special case)としての言語を規制する。
View Article換金テクノロジー
21世紀の情報資本主義は、 埋蔵地下資源(かつての太陽の放射エネルギーの蓄積)に関する 情報と技術知識を換金するためにだけそれらを独占したが、 独占後も贈与され続けるバイオスフィア全体の富の運用計画は 決定的に欠如したままだ。
View Article構造とシナジェティクス
人間は構造をデザインすることは 不可能だというメタフィジックスが 建築から退化したのは、 構造を思考するのではなく 発見するという驚くべき体験が 観察からではなかったからだ。 構造から「私のデザイン」が消滅する瞬間を受容するのは シナジェティクスである。
View Article贈与装置
計画的なエネルギーと食料の欠乏、または高騰が 富の衰退であり、貧困化と産業の緩慢な死を伴う。 貧困救済の方法は、贈与によって格差の方法に転換される。 受け取ると危険なものになり得るからだ。 返礼の義務が権威や社会的な地位を失わせるのだ。
View Article虚と実のモデリング
モデリングによるモデル言語の死が招く空虚こそ、 シナジェティクス原理への実在する距離を物質化する。 虚と実の間を激しく往復するモデリングは、 シナジェティクスの操作主義の遺産である。
View Article余剰生産
権力構造によって、余剰生産に従事し、 余剰を追跡することでしか もはやリアリティを生産することができないのだろうか。 先験的な構造とパターンを受容するためのリアリティは テンセグリティ・シェルターの天窓から降り注ぐ星々からやってくる。 圧縮力のみからなる権力構造の余剰生産方法から そのシェルターは生まれなかった。
View Article生存のための妥協
生存のための構造は、経済的な妥協と不確定な安全性によって置き換えられ、 宇宙の統合的機能を不明瞭で交換不能なものにする。 大気圏内に、例外的に裸で生まれてくる人類に これ以上の妥協があるのだろうか。 住宅の様式における、生存のための致命的な妥協は 思考と行動へのもっとも安価な矯正装置となる。
View Article自律性と目的意識(know why)
生存のための空間形成方法と自己規律に関する形成方法は 建築や医療、教育、心理学などの専門性にそれぞれ分断されることで その自律性と目的意識(know why)に関して重要な部分を失ってしまった。 こうして、構造の自律性は、いまも大地に依存したままである。
View Article構造とパターン(再考)
構造とパターンを認識するためには 自己と主体性との関係を変えなければならないばかりか、 主体性と自己との関係を変えると 構造とパターンが見えはじめるのである。 ーーーーー自己は自然に含まれるから。
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